アプローチで一番多いご相談が「距離感が合わない」です。同じように振っているつもりなのに、ショートしたりオーバーしたりする。
原因はほぼ決まっています。距離を「振り幅の感覚」だけで合わせようとしていることです。この記事では、私がレッスンでお伝えしている距離感の作り方を説明します。
感覚で合わせている限り、その日の調子に左右され続けます
「30ヤードならこれくらいの振り幅」という感覚は、確かに練習場では機能します。ですが感覚は、体調・気温・緊張・ライの違いで簡単にずれます。調子のいい日は寄るのに、大事な場面で寄らないのはこのためです。
プロが本番で距離を合わせられるのは、感覚が優れているからではありません。感覚に頼らなくて済む仕組みを持っているからです。
距離を「キャリー」と「ラン」に分解する
アプローチの距離は、必ず2つに分けて考えてください。
- キャリー ― 打ち出してから最初に着地するまでの距離
- ラン ― 着地してから止まるまでに転がる距離
この2つはまったく別の要素で決まります。キャリーはインパクトの強さで決まり、ランは球の高さ・スピン量・グリーンの傾斜や速さで決まります。
「30ヤード寄せる」ではなく、「20ヤードキャリーさせて、10ヤード転がす」と設計する。これだけで再現性が大きく変わります。
手順1 インパクトの強さを何段階か作る
まずキャリーを支配します。振り幅を「腰まで」「胸まで」のように何段階か決めて、それぞれが何ヤードキャリーするかを実際に測ってください。
ここで大事なのは、力の入れ具合で調整しないことです。同じテンポ・同じ強さで振り、振り幅だけを変える。強さを変数にすると、その日の感覚が入り込んでしまいます。
目盛りは3段階もあれば十分です。「小・中・大」で何ヤードキャリーするかが分かっていれば、あとはクラブを替えることで細かい距離が埋まります。
手順2 球の高さごとにランの量を把握する
次にランです。同じキャリーでも、球の高さが変われば転がる距離はまったく違います。
| 球種 | ランの量 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ランニングアプローチ(低い) | よく転がる | グリーンまで距離があり、障害物がない |
| 中弾道 | ほどよく転がる | もっとも使用頻度が高い |
| 高弾道・ロブ(高い) | ほとんど転がらない | 障害物越え、ピンが近い、下り |
それぞれで「キャリー10ヤードなら何ヤード転がるか」を把握しておきます。この比率が分かると、状況を見た瞬間に「どこに落とせばいいか」が逆算できるようになります。
手順3 落としどころから逆算する
コースでの思考の順番はこうなります。
- ピンまでの総距離を測る
- グリーンの傾斜と速さを見て、どの球種なら止まるかを決める
- その球種のラン量から、逆算して落としどころを決める
- そのキャリーを出す振り幅を選ぶ
「なんとなく寄せる」から「落としどころを決めて、そこに落とす」に変わります。目標が具体的になるほど、体は正確に動きます。
スピンの原理を知っておくと精度が上がる
ランの量を左右するのがスピンです。なぜスピンがかかるのか、クラブとボールの間で何が起きているのかを理解しておくと、ライが変わったときに「今日は転がるな」と予測できるようになります。
芝が逆目のとき、ボールが沈んでいるとき、朝露で濡れているとき。同じ振り方でもランはまったく変わります。ここを感覚で処理していると、コースで必ず外します。
実際に測るところから始めてください
距離感の構築は、自分の数字を知ることから始まります。人の平均値では意味がありません。振り幅ごとのキャリー、球種ごとのラン比率。これを一度実測して手帳に書いておくだけで、コースでの迷いが激減します。
私のレッスンでは、この測定と設計を一緒に行います。3時間アプローチコースでは、この距離感の構築がいちばんの山場です。50分×5回コースなら4回目に扱います。
愛知県愛西市のバーディーゴルフで、完全マンツーマンで指導しています。初回はお試しレッスン(50分 11,000円・税込)からお受けいただけます。
